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書評

最終更新:2019年2月13日(水)


旧書評掲示板保存ファイル/書評:『Puzzle』

書名出版社
Puzzle祥伝社文庫
著者出版年
恩田 陸2000年



Nov 07 (tue), 2000, 18:39

中澤 <k1-1.humeco.m.u-tokyo.ac.jp> website

舞台設定は軍艦島(竹川大介によるhttp://www.human.ne.jp/~daisuke/gunkan/index.htmは迫力あるので,廃墟の雰囲気を味わいたい方は是非見られよ)を髣髴とさせる廃墟の島である。妙なコピーをもった3人がこの島の別々の場所で,ほぼ同時に,別々の死因で死んでいたというのが主な謎となる探偵小説である。伏線が見え見えなので,展開は冒頭から読めていたような気もするが,探偵役の検事が,ペダンティックかつ天然な雰囲気といい,謎解きの語り口の鮮やかさといい,いい味を出していて楽しめた。面白かったけれど,フォントが大きくて薄いので,1冊の本ではあるけれど中編くらいの長さと思う。無人島をテーマにした競作として,他には西澤保彦が書いたものもあるらしい。税込み400円なので妥当なような気はするし,長い本は読めないという人も多いようだから,祥伝社文庫のこのシリーズの戦略は当たりかもしれない。

●税別381円,ISBN 4-396-32809-5(Amazon | honto


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