最終更新:2019年2月13日(水)
書名 | 出版社 |
日本の洗剤その総点検 改訂四版 | 績文堂 |
著者 | 出版年 |
柳澤文正 | 昭和59年 第四版第3刷 |
りりぃ <d2e091a5.tcat.ne.jp>
かなり古い、手に入れにくい本を読んだのは、ライポンF誤飲死亡事件(昭和37年9月)のことを詳しく知りたかったからだ。東京都監察医務院での死因鑑定書や、裁判の記録等もかなり細かく載っていた。
それらに対する柳澤先生の見解や、ABS(アルキルベンゼンスルホネート)の毒性について、当時入手できた海外の文献等や、他の科学者の意見なども挙げながら説明している。
著者の迫力というか心の叫びに気が付いてみると、どんどん吸い込まれていた。400頁近い本で、字も小さく、文体も決して読みやすいとは言えないのに。私は、理系出身でもないし、その道の専門的知識が化学的に備わっているとも言えない人間だ。
しかし、科学や化学を論じる前に、私はこの人の人間性を信じたい。確かに、現在の化学、医学をもって論じれば、多少古いとか、過激、と言われるところがあるのかもしれない。そして、それらを盲信してしまえば、柳澤崇拝者と呼ばれてしまうのかもしれない。
偉い先生達が、高い弱酸性石鹸や、皮膚に優しいといわれる合成シャンプー等をその肩書きをもって勧める昨今、自分の損得も考えずに、真実を追究した真の学者の姿を私はこの著者の中に見てしまったのだが、私も世に言う、”柳澤崇拝者”なのだろうか? 個人的には、自分は合成洗剤によるアレルギー体験者と位置づけているが。