最終更新:2019年2月13日(水)
書名 | 出版社 |
みんなで考える洗剤の科学 | 研成社 |
著者 | 出版年 |
井上勝也編 | 昭和62年 |
りりぃ <d2e091a5.tcat.ne.jp> website
この本には石鹸水を飲んで死亡した人の例が載っていと、大矢先生から教わりましたので読みました。
全体として、やはり合成洗剤擁護派の立場から書かれた本です。編者のもとに、4人の著者が担当されて書かれたようです。どの部分がどの方というのはわかりませんが、界面活性剤全般のことや、洗剤のことがいろいろ書かれています。毒性等に関する考え方は、擁護派と思われる著者の中でも多少の違いがあるようで、擁護派ながらもかなり意識していらっしゃる方もいるようでした。
肝心な石鹸水での死亡例の部分について、p161より引用させて頂きます。
<人間の場合はどうであろうか。臨床の経験例を調べてみると、精神病の患者他一名が石けん水を飲んで死亡した例、生後一八カ月の幼児に工業用石けん水を飲ませた例などが報告されている。>
この部分しか載っていません、本では、たった2行です。こういうのに失礼ながら、信憑性というか、資料としての価値があるのでしょうか?いくら人権の問題があるにせよ、どのくらいの量を飲んだとか、どういう状況で飲んだとか、一切わからないのでしょうか?その幼児については、一層情報として不明です。
普通、このような本には、特に科学関係ですか、文献目録とか文献一覧というのが巻末に添えられています。しかし、この本にはそれもありません。私は、こういう死亡例という大切な情報に関してそれらがないというのが不思議でありません。情報提供者としてもっと親切であって欲しいと思います。