最終更新:2019年2月13日(水)
書名 | 出版社 |
父性の誕生 | 角川oneテーマ21 |
著者 | 出版年 |
鈴木光司 | 2000年 |
中澤 <k1-1.humeco.m.u-tokyo.ac.jp> website
科学的記述に不正確な点が散見されるが,思想的には共感するところが多い本である。しかし,この程度の内容で本になるというのは,やはり鈴木光司がビッグネームだからだろうと思えて少し癪だ。「いまを生きよう」など,これまでのエッセイとの重複が多いし,角川oneテーマ21であることから「ミトコンドリアと生きる」のレベルの高さを連想して期待しすぎたのか,期待はずれだった。
保育園の効用に触れるなら,保育一元化論にも是非触れて欲しいし,娘のウンチがついたオムツを洗ったという著者が他の本やインタビューで何度も触れているエピソードにしても,「父性の誕生」を謳うならもっと掘り下げた記述ができる筈だ。だから,その辺を期待して買ったのに,はぐらかされたような気がしたのだ。