最終更新:2019年2月13日(水)
書名 | 出版社 |
フェルマーの最終定理 ピュタゴラスに始まり,ワイルズが証明するまで | 新潮社 |
著者 | 出版年 |
サイモン・シン(青木薫 訳) | 2000年 |
中澤 <k1-1.humeco.m.u-tokyo.ac.jp> website
森山和道さんの「独断と偏見で選ぶベストサイエンスブック2000」で高い評価を受けたことに恥じない名著である。数式をほとんど使わずに,ワイルズ教授がどうやっていくつもの理論をつなぎ合わせて,フェルマーの最終定理の完全な証明と谷山=志村予想の部分的な証明に漕ぎ着けたかという筋道が完結に説明されているし,数学者たちの息吹が聞こえてくるような臨場感溢れる文章の迫力(訳文もこなれていて読みやすい)と相俟って,一気に読み通さずにはいられなかった。ただ,谷山=志村予想についての説明の中で,楕円方程式とE系列のわかりやすさに比べると,モジュラー形式とM系列の説明が婉曲で良くわからなかったのが,やや残念である。
なお,これが面白かった人は,藤原正彦「心は孤独な数学者」(新潮文庫)も併読されるとよい。数学者の世界がより身近に感じられると思う。
中澤 <k1-1.humeco.m.u-tokyo.ac.jp> website
誤変換していた。
「完結」は「簡潔」の誤りです。
斉藤 <>
藤原正彦の他の本も面白いですYO。あまり数学とは関係ないエッセーが中心ですが。因みに正彦さんは故新田次郎の息子です