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書評

最終更新:2019年2月13日(水)


旧書評掲示板保存ファイル/書評:『ハルモニア』

書名出版社
ハルモニア文春文庫
著者出版年
篠田節子2001年(単行書は1998年)



May 07 (mon), 2001, 12:00

中澤 <k1-1.humeco.m.u-tokyo.ac.jp> website

文化を極めることの魔性を描いた,「聖域(http://minato.sip21c.org/bookreview/oldreviews/0507184240.html)」「カノン(http://minato.sip21c.org/bookreview/oldreviews/0412112157.html)」系統の話。芸術が成立するのは脳によっているから当然なのだが,脳の可塑性についての事実がストーリーに深く関わってきていて,その辺がSFである。音楽に関わる虚構も含んだ卓越した描写力によって物語世界が立体感をもって迫ってくる,魅力ある作品となっている。

●税別686円,ISBN 4-16-760504-X(Amazon | honto


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