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書評

最終更新:2019年2月13日(水)


旧書評掲示板保存ファイル/書評:『プラトニック・セックス』

書名出版社
プラトニック・セックス小学館
著者出版年
飯島愛



May 11 (fri), 2001, 14:55

神田憲行 <iptky1-p90.hi-ho.ne.jp>

 最初の一行目を読んで、「これはプロの仕事だ」と直感した。

「そんなセックスが好きなのか」

 と、父親が怒鳴るシーンである。「つかみ」を冒頭に置いて、その前後の状況説明は簡単に折り畳んで、「そもそも」話に戻っていく。プロの書き手がよくやるテクニックである。おそらくライターか編集者が飯島愛にインタビューして、出来上がった本であろう。


 しかしだからといって、この本の価値はいささかも減じることはない。スキャンダラスな内容ばかり注目されているが、テーマは「家族」である。どん底まで落ちた不良少女が、母親の愛情にやっと向き合えるまで「真人間」に生還していくストーリーは感動的だ。


 タレント本には、とかく「金儲けだ」「売名行為だ」という批判がまとわりつく。しかし飯島はそんなことよりも、まず自分自身が救われるために書いたのではないか。人には「書くこと」で浄化されることもあるからである。バカにせず、一読することをお勧めする。とくに年頃の娘さんがいる家庭にはいいかもしれない。


Jan 26 (sat), 2002, 11:45

がんりょ <acca1aac093.tky.mesh.ad.jp> website

愛され方の下手な女の半生


マスコミではショッキングな面だけがクローズアップされる本作だが,それだけにはとどまらず意外に読ませる.


タレントとして活躍している著者の幼年期から不良少女時代,AV時代を経て現在まで,さまざまなエピソードを通じて,とにかくいろんな人に愛されていることがわかる.しかし,彼女はその愛にうまくこたえることができずに落ちていってしまうのである.優等生だった少女が悪いほうに転がっていく様のドキュメントとして読み応えがあった.


最後に絶縁状態だった両親と酒を酌み交わすくだりで救われた思いがした.彼女の場合たまたま成功したが,同じような境遇で落ちたまま這い上がれない人たちがたくさんいるのだろう.


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