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書評

最終更新:2019年2月13日(水)


旧書評掲示板保存ファイル/書評:『普通の人の中の狂気』

書名出版社
普通の人の中の狂気海竜社
著者出版年
町沢静夫平成九年



Sep 23 (sun), 2001, 21:25

りりぃ <d2f9b979.tcat.ne.jp> website

バスジャック事件のコメントでテレビのワイドショーに良く出られていたので、著者のお名前やお顔も知っていた。でも「テレビに良く出ている人ってどうなんだろう?」って思いもあったが、書名に惹かれて読みたくなった。結果は、読みやすくて、同感できるところが多かった。文学部心理学科卒で、医学部も卒業しているからだろうか、幅の広さを感じる。精神科医の枠に填っていない感じが、本文から読みとれる。神戸市の震災に遭った子供達への対応の話しや、カウンセラー達がロジャーズの影響を受けていて、患者の病理性や深刻さを解っていないのではないかという話しは十分頷けるし、「カウンセラー」という人達のアドバイスを週刊誌その他で見聞きするにつけ、前々から私自身も疑問を感じていた。


タイトルは、「普通の人の中の狂気」ということなので、精神障害の中でも軽~中程度のものを取り扱っているのだろうと思って読み始めたのだが、分裂病の症例まで載っていた。素因の他に環境も発症に影響を与えるらしいが、同じ環境下でも発症しない人は多いだろうし、素因とは何なのだろう?性格というより、脳の働きに何か影響を与えるような素因がそういう気質とか性格を極端に偏ったものにしているのだろうか?後天的な要因もあるのだろう。いろいろ考えると、正常と異常の分かれ目から常識と非常識の分かれ目まで、どこまでが普通でどこからが異常なのかしら?とさえ思えてくる。価値観が多様化し、文明や社会が複雑な様相を呈している現代では普通であり続けることが難しくなりつつあるのだろうか?


Nov 05 (mon), 2001, 14:32

ぶん <>

とても読みやすい。隣人の存在が気になるような一冊です


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