最終更新:2019年2月13日(水)
書名 | 出版社 |
パラダイス・ビーチ | 双葉文庫 |
著者 | 出版年 |
鳴海章 | 2001 |
中澤 <k1-1.humeco.m.u-tokyo.ac.jp> website
「パラダイス・ビーチ」は傑作だと思う。主人公の造形も,多少「オヤジの幻想」的な部分があるにもかかわらず,いや,だからこそ魅力的だった。鳴海章という著者の小説は,随分前に竜の紋章の少年が活躍する学園アクションファンタジーみたいなものを読んだ記憶があるのだが,あの頃に比べると,ひとつひとつの描写の深みが圧倒的に増している。著者自身の人生観が深まったということだろう。もう少し刈り込んだら,と思えるところもあったが(最後から2番目のエピソードは不要と思う。ぼくだったら主人公が10年後に人生と戦っているエピソードを入れる),意外な収穫だった。