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書評

最終更新:2019年2月13日(水)


旧書評掲示板保存ファイル/書評:『死ぬには、もってこいの日』

書名出版社
死ぬには、もってこいの日柏艪舎
著者出版年
ジム・ハリスン2001



Nov 28 (wed), 2001, 18:38

まりこ <p88-dna10sapporoki.hokkaido.ocn.ne.jp>

 酒とドラッグ浸けの自堕落な生活を送る主人公が、一人の男とその恋人と出会う。そして、ダム爆破という突拍子もない計画を彼らとともに実行して行く中で、今まで逃げてきた現実と向き合っていくというストーリー。

 ジム・ハリスンというと、日本ではまだ馴染みが薄いが、アメリカやヨーロッパでは『大草原のモーツァルト』と謳われるほどの作家である。何年か前にブラッド・ピットが主演した『レジェンド・オブ・フォールズ』の作者だといえば、わかってもらえるだろうか。


 そして、著者の作品の中で忘れてはならない点は、自然に対する想いである。北海道という比較的自然に恵まれた土地で育ったわたしでも、ほんとうの自然に触れる機会はなかなかない。それでも、ときには冬の夜空一面に瞬く星や、夏の海で真っ赤な夕焼けを見ることがある。そんなときはなぜだか切ないような、泣きたいような気持ちになる。ジム・ハリスンの作品を読むと、わたしはこれと似たような気持ちになってしまう。とてもよい作品なので、みなさんにもぜひ読んでいただきたい!


 この本を出版した“柏艪舎”という出版社は最近札幌で設立されたばかりらしい。個人的に地元でもあるし、北海道の文化レベルをもっと上げるという意味でも、応援したい。


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