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書評

最終更新:2019年2月13日(水)


旧書評掲示板保存ファイル/書評:『山妣』

書名出版社
山妣新潮社
著者出版年
坂東眞砂子



Feb 12 (tue), 2002, 09:46

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 山妣(やまはは)とは山姥のこと.


 波乱に富んだ人生の末,山妣と呼ばれるようになった一人の女,そしてその子供.禁断の欲望に翻弄される男たち,女たち.全てが今廃坑後の雪山で意外な結末を迎える.


 死国のようにいたずらにオカルトに走ることなく,現実の世界での恐ろしさを味あわせてくれる作品である.


 山のオキテ,里のオキテなどさまざまな共同体のオキテに縛られつつ抜け出せない.抜け出しても気が付くと同じところにいる人間の性を痛いほど見せつけられた.自分も知らず知らずのうちに都会のオキテ,社会のオキテに縛られているということ実感させられた.


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