最終更新:2019年2月13日(水)
書名 | 出版社 |
蛇を踏む | 文藝春秋 |
著者 | 出版年 |
川上弘美 |
がんりょ <acca1aac143.tky.mesh.ad.jp> website
夢の中にいるようなぼんやりとした世界。
そんな中で日常の雑多なことを忘れさせてくれる作品である。
ぼんやりとしていて一見取り止めがないように思えるが
なぜか不思議な摂理で一貫されていてひきつけられる。
本書に収められた3編はいづれも一人の女性が主人公であるが
彼女たちの周りにさまざまな不条理な出来事がおきる。
たとえば、家に蛇の化けた女が住み着いたり
壷がはなしたり、自分のクローンがつくられたり…
これに対して、彼女たちは
まるで夢を見ているように淡々とした反応をみせる。
これらの出来事を自然に受け入れ流されていく。
この淡白な感覚は、最初に聖書を読んだときの
感じたものに近かった。