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書評

最終更新:2019年2月13日(水)


旧書評掲示板保存ファイル/書評:『ジャンゴ』

書名出版社
ジャンゴ角川書店
著者出版年
花村萬月



Apr 06 (sat), 2002, 11:14

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「笑う山崎」「イグナシオ」「眠り猫」など花村作品は何冊か読んだがこれが一番強烈だった。


 いきなり地下室での私刑シーンから物語が始まり、全編吐き気がするくらいのリアルな暴力描写が続く。


 美しいヤクザの妹に手を出したばっかりに、伝説のギタリスト「ジャンゴ」になぞられて、指を失ったジャズギタリストは復讐の機会を伺いながらも、ヤクザの指示に従ってマネージャの故郷、九州に向かう。そこで待っていたものは、破滅への片道切符である。


 結末近くで、無造作に行われているように見えた一連のサディスティックな行為の意図が明らかになったとき、せつなさでやりきれなくなった。


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