最終更新:2019年2月13日(水)
書名 | 出版社 |
柳生忍法帖 | 山田風太郎 |
著者 | 出版年 |
山田風太郎 |
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文句無く面白い。
剣の達人柳生十兵衛が、夫や父を無常に殺された敵討ちの助太刀をするという話を聞くと良くある話である。敵の相手が例よって人間とは思えない技(髪の毛を自由に操れたり、動物と話ができたり)を持っているし、敵の殿様はサイコだし、とにかくハチャメチャなのである。あらすじを書くと荒唐無稽にしかならない話をグングン読む進めさせられてしまうのは、山風恐るべしというしかない。恐らく緩急の微妙な具合を心得ているからではないか、とんでもない技を使った活劇の次のページでは、歴史的な背景の記述で興奮をクールダウンさせてくれる。背景の話をしていると安心していると、いつのまにか次の活劇の世界に取り込まれているのだ。