最終更新:2019年2月13日(水)
書名 | 出版社 |
水辺のゆりかご | 角川書店 |
著者 | 出版年 |
柳美里 |
がんりょ <acca1aac212.tky.mesh.ad.jp> website
全編暗い話がこれでもかと続く作品である.
これが作者の自伝であるなら,よく今まで生きてこられたと感心してしまう.複雑な家庭環境,学校でのいじめ,性的虐待など考えられる不幸はほとんど登場する.それで,主人公(作者?)がまたかわいくないんだ.いかにもいじめたり,虐待したりされそうな性格をしている.絶対に友達にはしたくないタイプ(だからといってやられて当然だとは思わないが…).
これだけ,暗くていやな要素がてんこもりだと,途中で読むのがいやになりそうなのだが,不思議とグングン読み進められてしまう.これは作者の力量といえよう.