最終更新:2019年2月13日(水)
書名 | 出版社 |
わたしが棄てた・女 | |
著者 | 出版年 |
遠藤周作 |
ヒカル <>
遠藤周作という人を全く知らず、ただ題名にひかれ読んでみました。
これが予想外に、僕にとっては久々に泣ける小説でした。
テーマを一言で言うと「不条理」かな。
時代背景は昭和チックで、当時の若者の生活感が出てて面白いです。
主人公(吉岡)は自分勝手、というかけっこう普通にいそうな青年。
対してヒロイン(ミツ)は、田舎者でブサイクなお人好しの女の子。
雑誌の掲載(今でいうメル友募集掲示板?)で知り合った二人だが、
吉岡の目的は、ヤルこと。
1回目のデートでは目的を果たせずも、ミツから同情をひかれる。
(吉岡は軽い身体障害を持っている)
2回目のデートで目的を果たす。
(同情がこうじて愛情に??こういうとこがお人好しなんだな)
ミツに何の愛情も感じてなかった吉岡は、それっきり姿をくらます。
ここから2人の人生は別々な方向へ向かう。
吉岡は社長令嬢と社内恋愛。あげく結婚へ。
かたやミツは・・・・・
読み終わった後、
やるせない気持ちでいっぱいになり、涙してました。
遠藤周作は敬謙なカソリック教信者だったそうです。
それでいて常に神の存在に疑問を持っていたそうです。
そんな気持ちからこの作品はできたのかなと思います。