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書評

最終更新:2019年2月13日(水)


旧書評掲示板保存ファイル/書評:『わたしが棄てた・女』

書名出版社
わたしが棄てた・女
著者出版年
遠藤周作



Nov 14 (thu), 2002, 12:00

ヒカル <>

遠藤周作という人を全く知らず、ただ題名にひかれ読んでみました。

これが予想外に、僕にとっては久々に泣ける小説でした。

テーマを一言で言うと「不条理」かな。

時代背景は昭和チックで、当時の若者の生活感が出てて面白いです。

主人公(吉岡)は自分勝手、というかけっこう普通にいそうな青年。

対してヒロイン(ミツ)は、田舎者でブサイクなお人好しの女の子。

雑誌の掲載(今でいうメル友募集掲示板?)で知り合った二人だが、

吉岡の目的は、ヤルこと。

1回目のデートでは目的を果たせずも、ミツから同情をひかれる。

(吉岡は軽い身体障害を持っている)

2回目のデートで目的を果たす。

(同情がこうじて愛情に??こういうとこがお人好しなんだな)

ミツに何の愛情も感じてなかった吉岡は、それっきり姿をくらます。

ここから2人の人生は別々な方向へ向かう。

吉岡は社長令嬢と社内恋愛。あげく結婚へ。

かたやミツは・・・・・

読み終わった後、

やるせない気持ちでいっぱいになり、涙してました。

遠藤周作は敬謙なカソリック教信者だったそうです。

それでいて常に神の存在に疑問を持っていたそうです。

そんな気持ちからこの作品はできたのかなと思います。


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