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2003年12月のメモ
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2004年 1月 5日 (月曜日) 01時19分
- 東京の会議は意外に長くかかったが,市ヶ谷の保健会館新館から東京駅の新幹線ホームまで20分で着いたので,あさま5号に間に合った。翌日夕方から,子供たちを連れて毎年恒例の友人G氏の山小屋訪問。妙高高原は大雪だったが吹雪の中でも遊ぶ子供たちはさすがだ。
- 木曜は東京で会議のため7:00に起き,朝食を食べたりシャワーを浴びたりしてから宮野駅へ。月曜にやった「出生の分析」で学生の気持ちをひきつけるためのアイディアが浮かんだので,山口線の中で来年の資料としてメモ作り。
- このところ移動中に(仕事をしていないときは)読んでいた,安保徹「こうすれば病気は治る 心とからだの免疫学」(新潮選書)は,いい本だと思う。Darwinian Medicineをさらに推し進めたともいえる(気持ち悪い症状の多くは防御反応であるばかりでなく治癒過程であるという)考え方で,かなり納得できる点が多い。それ以上に,ぼくの素朴な生活感覚には合致しているので共感する。また,ニューヨークに留学している森君がぼくと共著した論文で提示した死亡モデルの考え方からすれば,体細胞に損傷が蓄積していくのは避けがたいわけだが,なるべく損傷が起こりにくいような(いろいろな意味でストレスの少ない)生活にして,かつ損傷が修復される過程を邪魔しないようにした方が,対症療法で修復過程を止めてしまうよりも治りがいいというのは尤もだ。著者が提唱する,免疫系の自律神経支配という考え方は,かなり色々な観察事実と辻褄の合う説明を与えることに成功しているように思う。現代の医療にはほとんど抜け落ちている視点からの議論なので,今のところ正面からの反論はほとんど出ていないのだけれど,この考え方が広まると,現在の医療行政はかなり大きな転換を迫られることになって,既得権益を手放さなくてはならない人がたくさん出てくるだろうから,そのうち抵抗勢力が出てくるかもしれない。
- 豊田秀樹(編著)「共分散構造分析(疑問編)」朝倉書店。欲しい。やや高いが。
- 火曜は氷柱探しと雪遊びとトランプと家事で終わった。年賀状用のファイル作成もしたが。夜のバスで山口へ。新大阪着が6:00を過ぎたので,6:25発のレールスターを予約しておいたのは正解だった。バスの中で1つ仕事をしたので,ちょっと疲れた。
- 昼過ぎに東京に着き,なか卯で親子丼を食べてから東大へ。講義資料を印刷し,プレゼンを可能な限りきれいにする努力を続けていたが,今一つ不満足なまま講義開始。詰め込みすぎなため消化できないのかもしれないが,ちょっと反応が鈍い気がする。いや,きっと整理の仕方がまずいのだろう。やはり資料は大筋を書くより視覚に訴えるものを配布した方がいいのかもしれない。
- 金曜夜は某委員会の打ち上げというか忘年会というか。カレイは最高にうまかったし,男山という酒もうまかった。残念なのは,いろいろな魚介類の旨みが染み出したであろう汁にご飯をいれて作るおじやは最高にうまいのだが,新幹線の時刻の都合上,それができるまで残れなかったこと。それでも冬の海の美味を堪能できて至福であった。新大阪からの「きたぐに」は北陸本線なので物凄い雪の中を進むわけだが,さすがに雪対策は十分なのか定刻に直江津に着いた。信越本線は除雪のため10分以上遅れて長野に着いたが,X22でRのプログラムを書きながら乗っていたので,気にならなかった。まあ順調といえよう。土曜はプログラムを書いたり講義準備をしたり。日曜は家のコンピュータにキャプチャカードを取り付け,古いVHSのビデオムービーを納戸から持ってきて接続し,ビデオキャプチャできるようにしたり,新しいノートパソコンのダイヤルアップ接続設定をしたり……などとしていたので,講義準備が一部完了せず。そのまま月曜に東京に向かっているので,これから新幹線車内で講義準備を続ける予定。
- 金曜は吹雪いたり晴れたりという変な天気。寒い。午前中で卒業研究の論文提出が終わった。今年指導した学生はずいぶん頑張って,受け入れ側との交渉から質問紙を作ってコーディングをしてデータ入力してRで分析して解釈するというところまで一通り全部やってもらい,かなりそれができる力も身についたと思う。これからプレゼン資料作りにはまた苦労するかもしれないが,OOo日本ユーザ会作成の導入ガイドを渡したので,冬休み中もたぶん何とか自力で進めてくれるだろう。こんなに優秀な学生でも,まだ就職が決まっていないというのは,ぼくが無力なせいもあるとは思うが,保健師の求人が少なすぎるのではなかろうか。地域に根付いて働くことでこそ,その職能が生きてくるのだから,現在のようにアルバイトや非常勤で人手不足を補うのではなく,自治体や保健所や市町村保健センターは,常勤職員の枠をもっと増やすべきだと思う。保健師の雇用が増えても,住民のQOL向上に役立って,医療費や介護にかかる費用が削減できれば,自治体にとっては安い買い物ではないかと思うのだが。
- 木曜は午前中会議(宿題あり)。昼は久々に雲谷窯で門前そばセット。美味。午後の公衆衛生学は産業保健で非常勤をお願いしたため,後ろで聞いていたが,やはり講義は喋るより聞くほうが楽だ(当たり前か)。統計学のネタは一元配置分散分析と多重比較(リンク先はpdfファイル)。一元配置分散分析と多重比較それぞれの考え方を何度も繰り返して説明したのだが,難しかったか。その後,卒業研究の学生に最終チェックした卒論原稿を渡して明日までに仕上げておくように言ってから,今年から出来た山口県立大学吹奏楽団"BLAZE"の「大学行事として」位置付けられた第1回定期演奏会X'mas Concertに行ってきた。一般入場料300円を払った甲斐はあったのではなかろうか。技術的には完璧ではなくても,楽しかったからいいと思う。我ながら驚いたことに,第二部の半ば頃にピンクレディーのヒット曲メドレーがあったのだが,その歌詞をまだ全部覚えていた。何の役にも立たないが。晩飯を食べてから,午前中の会議の宿題と,来週月曜の東京での講義の準備をしよう。
- 水曜は午前中情報セキュリティの講義と演習。他の講義は系統的に学んだベースがあって,新しい話を付け加えているのだけれど,看護情報処理論の講義だけは,いろいろなところでバラバラに身に付けてきた知識を体系化する作業を要するので,どうしても時間がかかってしまう。午後は会議4つと学部の忘年会。暇が無い。
- 日本公衆衛生学会のサイトができたという通知が届いた。ユーザIDとパスワードが必要な会員専用ページがある。
- 中西準子,益永茂樹,松田裕之(編)「演習 環境リスクを計算する」(岩波書店,3500円)。まだamazonには出ていないのだが,面白そうなのでこれは買おうと思う。Rでのやり方を作ってみるというのも面白いかもしれん。
- 火曜も卒業研究の指導を少々。漸く終わりが見えてきた。しかし明日は1分の隙も無く予定が詰まっているので,その間に仕上げておいてもらって,木曜に最終チェックをするしかない。木曜も某会議があったりして,あまり空き時間はないのだが。疫学特論の専門用語集は奇跡的に間に合った。
- 月曜は卒業研究指導の詰めと某原稿の最終仕上げ(締め切りを2週間も過ぎてしまったが)と2,3の事務仕事を済ませた。雨だと機動力が落ちるのが痛い。5:00過ぎに帰宅し,8:20に起きてシャワーを浴び,再び研究室へ。途中郵便局で切手を買い,某原稿を投函してやっと1つ肩の荷がおりた(いや,決して満足できる出来ではないので申し訳ないのだが)。本当は疫学特論の専門用語集は11章まで今日配っておくべきだろう(そうすれば冬休み中に学生が勉強しやすいだろう)と思うのだが,間に合いそうにない。明日の講義資料準備も,今夜合同ゼミの後で(ということは22:00以降に)やるしかないな。
- 土曜は息子とバッティングセンターへ(ホームランのパネルに当たって光った。賞品などはなかったが,ちょっと嬉しかった)。日曜は中条村の灰焼きお焼きつくりを見て食べてきた。とても美味だった。これから山口に向かうのだが,電車の中でできるだけ講義準備をしておこうと思う。
- 新幹線の中とサンライズ瀬戸の中で,今回の東京出張の主目的である講演準備の仕上げをし,1:00近くに仕上がった。朝7:09に東京駅に着くまで,6時間眠れたから,今週の中では一番長く眠れたともいえる。午前中は統数研の統計グラフの国際シンポジウム(というかDr. IhakaとDr. MurrellがニュージーランドからやってきてRのグラフィックス処理の話をいろいろしていたわけだが)を覗きに行った。間違えてJRを目黒で降りてしまったので,南北線で麻布十番まで行って広尾に歩く羽目になったが,それで時間的にはちょうど良かった。Rのグラフ作成についていろいろと役に立ちそうな情報が得られたし,間瀬先生と中間さんにお会いすることができて良かった。社人研での講演は,ちょっと無駄に喋りすぎたような気がしないでもないのが反省される。その後も来年の人口学会のシンポジウムの打ち合わせがあって疲れた。某原稿を持って来ているのだが,なかなかそこまでやろうという元気が出ない。終了後長野へ。
- 講義が終わってから,某研究室で細菌の動きをカウントしたファイルの処理について相談を受けた。こういうのなら絶対にExcelよりもPerlの方が向いていると思う。たぶん1時間くらいで書けそうな話だったので,年内くらいで良ければ協力することにした。その後東京へ。新山口の新幹線改札内でBS Hiが流れていて,中国の張家界という物凄い地形の場所が紹介されていたのが印象に残った。あの地形は,是非いつか直接見てみたい。水が浸食したのだろうが,本当に信じられないような奇岩と断崖絶壁が並び,そこの天辺にまで木が生えているのだ。もっとも,そこにエレベータを作ってみたりロープウェイを渡してしまう中国人は,もっと凄いかもしれない。木の高さはキュランダの方が高いと思うが,岩が聳え立っているので,ロープウェイの下は千尋の谷底に見えた。観光客が年間100万人来るというのも頷ける場所だった。
- 卒業研究が進んでいる様子を横目で見ながら講義準備。13:00頃完了。公衆衛生学は生物学的環境として病原微生物の話だけでは片手落ちだと思って生態学の基礎的な話を入れ込んでみた。相当な駆け足で話さなくてはならず疲れた。統計学は二変数のノンパラメトリックな検定をいろいろ説明。でも実際には使うにしてもWilcoxonの順位和検定くらいなんだろうな。
- 朝5:40に起きて昨夜のカレーの残りを食べ,講義準備や講演準備や某原稿などの続きのため研究室へ。小雨が降っていて寒くて気が滅入るが,トラジャでも飲んで頑張ろう。
- 午後,感染症の数理モデルの話をするために,遠路遥々Nさんが来訪。まだ若いのだがSARSのモデルの論文などをバリバリと精力的に発表している人で,大変刺激になる。某原稿を完成させるためにのどから手が出るほど読みたかった論文を持ってきてくださったのは,実にありがたかった。晩飯にカレーを食べて,講義準備などのために研究室に来たら,委員長から電話があって催促されたので,慌てて紀要に掲載するための教員用業績登録フォームとcgiを完成させ(先週末に作りかけて放置していた),アップロードした(学部内専用ページに掲載したので,ここからリンクしても無意味だからリンクしない)。
- 1:00から5:00まで研究室で仮眠後,慌てて資料を完成させたら8:00になっていた。やっと看護情報処理論の講義が終わったが,資料にミスがあった。訂正したので,既に「統計処理の羅針盤」をダウンロードしてしまった方は申し訳ないがダウンロードしなおしていただきたい。第8回の情報検索演習の資料も公開することにした。
- 月曜は先週一杯で書き上げる予定だった原稿の最後の詰め(ごめんなさい)をしながら卒業研究の指導。かなり捗ったような気がする。火曜は(先週からぼちぼちやっていたが)明日の講義資料作り(統計処理の羅針盤(PDF形式)は,もしかしたら役に立つかも。製本印刷すると吉)とか,疫学特論の専門用語集作りとか。金曜の発表準備にも着手せねばならんのだが,特論が終わってからにしよう。
- 金曜日は木曽福島で途中下車して用事を済ませてから長野に着いて,本屋に寄り,郵便局と銀行で振込みしてから(長野には三井住友があったので,そこのATMで振込みをしたのだが,同じ銀行内の支店間での時間内の振込みで210円も手数料を取るのは如何なものかと思う)帰宅。暫く仕事をしたのだが,割と早い時刻に息子と娘が帰ってきたので捗らず。土曜は小雨だったが来月のJRの切符を買いに行ったり,午後は少年野球の親子野球と親子ベースランニングとバット納めがあったり,で疲労困憊。楽しかったが。日曜は寝坊。娘とキャッチボールをしたり,息子を観劇に連れて行ったりしてから,19:31発しなの26号で名古屋に向かっているところである。多少筋肉痛もあるので,たぶん寝台に乗ったら眠ってしまいそうである。
- 講義は無事終了。統計学の資料が2箇所間違っていたことに気づいたので,講義中に訂正。研究室に戻ってきてからアップロードもやり直した。最後に時間がちょっとあったのでアドリブでc(1, 3, 5)とc(1.5, 3.5, 5.5)という例を使って,有意水準5%で両側検定するとして,独立2標本だとすると平均値に差はないが,対応のある2標本(例えば,同じ3人の,前期と後期の10点満点の試験の成績とか)だとすると平均値に差があるという計算を示すことができたのは,我ながらうまく行ったのではないかと思う。今日は寝台で名古屋まで行くので21:00頃研究室を出ればよく,それまではどれかの(いくつもあって,もはや数える気にもならない)仕事を進める予定。
- 木曜は朝から公衆衛生学と統計学の講義準備。どちらも去年の資料があるのだけれど,公衆衛生学は内容的な変更点が多くて(法制度が毎年変わるから),統計学は去年の資料が本に入ったことからプレゼンテーションに出す内容を変えて増やしているので,結局準備には時間がかかる。朝方本部のサーバが応答しなかったのはファイアウォールがおかしかったらしいのだけれど,メールが見えないのは,仕事を捗らせるにはいいことかもしれない。試験計画を提出。結局フォーム作りはまだできず。
- 水曜は当然ながら早起きできなかった。午前中講義(演習)の後,昼休み会議。拡大教授会までの間は,学生から統計とコンピュータの相談各1件。拡大教授会が終わってからは統計相談とコンピュータ相談多数。晩飯を食べてから研究室に来たが,疲れ果ててていてメール応答以外は殆ど何もできず。
- 講義準備が終わったら3:30だったので,紀要の仕事は後回しにすることに。もし早起きできたらやろう。
- 疫学特論は何でもD12教室がダブルブッキングされていたとかで,急遽D23教室でやった。別に問題はないが。いよいよ14回では教科書を読み了えられない可能性が高まってきたので,受講者たちに諮って,もう1回増やし,2月3日にも講義をすることにした。この特論は輪講形式のため,試験をやる必要はないから(レポートくらいは書いてもらおうかとも思うが),その分と思えば1回増えてもいいだろう。特論終了後,スーパーで食材を買って公舎に帰り,トマトとキュウリとウインナ−のサラダと豆腐だけをおかずにして晩飯。その後再び研究室に来て,とりあえずオセアニア学会仕事が終わった。
- 許されたので今週一杯頑張ることにした。とはいえ,次々に新しい仕事は舞い込んでくる。看護情報処理論でDHCP接続できない学生のためにKnoppix 3.3JのCDを複数用意することにした。とりあえずはKonquererとOOoが使えて日本語入力できれば講義には事足りる。いや,プロトコルを教えるにはむしろWindowsより向いている。CDには書き込めないからセキュリティの心配もほとんど無いし。講義準備以外に今日中にやっておきたいこととしては,オセアニア学会のサイト更新作業が2つと,紀要のための業績登録フォーム作りがあるのだが,とりあえずこれから疫学特論をやってこなくてはいけないので,その後だな。
- そういえばもう12月だ。某原稿の締め切りが過ぎてしまった。一応最後まで書いたのだが,ちょっと詰めが甘くて情けないので,あと2つほど文献を読みたいところだ。許されるだろうか?
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